※2023年発売の『鱗海マスターチューン(2023年モデル)』は下記で紹介しています。
1)シマノ『鱗海マスターチューン(2023年モデル)』インプレッション/大知昭
2)『鱗海マスターチューン(2023年モデル)』 大知昭が全8機種を曲げ比べ&インプレ
今シーズン、シマノよりリリースされたチヌフカセ用ロッド『鱗海マスターチューン』。ラインナップ豊富なこのロッドをシマノ磯フィールドテスターの内海通人さんが紹介してくれました。
解説/内海通人(うつみ みちと)

『鱗海マスターチューン』は、私のイメージでは『鱗海エランサGP』の後継であり、鱗海シリーズのスタンダードモデルという位置付けです。
「鱗海シリーズをこれから使う」という方にはピッタリの設計になっていると感じます。
個人的には「Xガイド」と「パラボラチューン」の搭載が大きく性能をアップさせてくれましたと感じています。
しなやかで軽い穂先
鱗海シリーズはしなやかなで軽い穂先が特徴のひとつなのですが、「Xガイド」のおかげでこれまで以上に軽く、感度が高まっています。これは仕掛けを遠投してウキごと仕掛けを沈め、仕掛けを張った状態でアタリをとるという釣りで、穂先の張り具合により幅広さを持たせることができ、小さなアタリをとらえる感度が備わったと感じます。
食い込みももちろんアップ。大きな進化です。特にPEでフカセをするのであれば、穂先の軽さと感度のよさは重要になると考えているので強力な武器といえます。

ワンピースロッドのようなスムーズな曲がり
「パラボラチューン」は鱗海シリーズでは2016年登場の『鱗海スペシャル』に搭載された機構で、ワンピースロッドのような曲がりのきれいさを実現。
同時にスパイラルXのねじれのない強さも発揮でき、どこからどう曲げても細身軽量胴調子の鱗海シリーズの性能を最大限に引き出せました。
その機構が『鱗海マスターチューン』にも搭載。両方使ってみた私の印象では、それぞれ曲がりのきれいさは同一ながら、力の掛かり方、抜け方が違うように感じました。

『鱗海スペシャル』は胴まで曲げ込んだ状態から竿全体が粘り、じわじわと魚の力を削いで浮かせてくれるという感触があります。
大きく曲がっているけれど、竿全体が力を残した状態で、常に魚の力を削ぎ続けていると言えばよいでしょうか。だから魚のサイズに関わらず竿が曲がりながらも浮かせてやり取りを優位にさせてくれます。
『鱗海マスターチューン』は大きな魚なら大きく曲がり、小さな魚には小さく曲がるといった具合に、魚の引きに応じた曲がりをしてくれるという印象です。
このため人によって『鱗海スペシャル』に比べて張りがある? と感じる方もいれば、いや軟らかいかも? と感覚が違うかもしれません。
しかし胴に重さをしっかり乗せることでチヌを起こらせずスムーズに浮かせてくれる「鱗海調子」はどちらも味わえます。このあたりがシマノの技術力の高さであり、竿の使い分けの楽しさにも繋がると言えるでしょう。


手にフィットするリールシート
また、リールシートには「パームフィットシートCI4+」が搭載されています。スクリューシートなのでリールをしっかりホールドしてくれて、がたつきなく竿を扱えます。
このあたりも要チェックです。

私は『鱗海マスターチューン』の06号530を愛用しています。
食わせるしなやかさ、キャスト時に飛距離が出せる反発力と振り抜けのよさ、50cmクラスのチヌにまったく負けないバットパワー(長崎県の九十九島で使ってみましたが、問題なし)など瀬戸内で求められる、さまざまなチヌ釣りに対応できる汎用性の高さを持っています。

これから「鱗海シリーズ」を使う方にぜひともおすすめしたい1本ですね。
